既存の屋根と新築住宅の設置方法

契約する前の注意点

屋根への施工方法について -契約する前の注意点-

太陽電池モジュールを屋根に固定する方法は、屋根材が「瓦」なのか「スレート」か、あるいは「トタン」なのかによって変わり、またビルのような「陸屋根」だった場合も大きく異なります。

瓦の一部を金具付きの特殊な瓦に交換してモジュールを支える桟(さん)を固定する方法。あるいは、瓦を一旦
取り外して金具を取り付け、桟を固定する方法もあります。スレート屋根の場合には、モジュールを取り付ける
フレームを屋根に直接ネジで固定します。

下図に、屋根への設置方法を簡単にまとめましたので参照してください。



古い家屋
それともうひとつ、太陽光発電を屋根に設置するには重量の問題もありますね。例えば最大出力4kw.のモジュールを設置する
場合、架台を含む重量は400kg.近くにもなりますので、家屋の
強度が問題になるわけです。

屋根への設置は頑丈に行なうにしても、古い家屋では400kg.の
荷重に耐えられるかどうかを確認する必要が生じます。

実は太陽光発電の各メーカーでは、「設置の可否」について非常に細かい基準を設けていて、もし基準外の家に設置してしまった場合にはメーカー保証が付かないことになっています。

そのため、強度不足で基準外になっている場合は、家屋の補強
工事が必須となりますね。

ところが世の中にはとんでもない業者がいるもので、メーカーへ虚偽の設置報告をすることによって、メーカーから保証書を搾取するという事例が相次いでいるそうです。やはりどうしても売上げが欲しいから、ついついやってしまうわけですね。

この場合、もし期間内に故障などがあって、メーカーが現地調査をして虚偽が発覚した場合、当然ながらメーカー保証が受けられなくなる可能性があるわけです。ですから、施工業者選びはくれぐれも慎重にしなければなりません。


新築住宅へ設置する方法


シャープのソーラールーフ
新築の住宅に太陽光発電を設置するには次の二通りの方法があります。ひとつは「屋根置き型」で、既存の屋根に架台を取り付け、その上にモジュールを設置するタイプで、別名を「架台設置型」とも呼んでいます。

もうひとつは「屋根建材型」で、これには「屋根材一体型」と「屋根材型」があります。なにやら、ややこしくなってきましたね。「屋根材一体型」というのは、太陽電池と屋根材が一体化されたもので、「屋根材型」というのは、太陽電池自体を
屋根材として使うものです。

太陽電池モジュールを屋根の代わりとして使うわけですから、モジュール自体に屋根が受ける雨風をしのぐ性能がなければ
いけません。さらに防災性能を兼ね備える必要もあります。ですからコストがかさむことと、かなり高度な製造
技術が要求される製品と言えるでしょう。

ただ、「モジュールの設置イコール屋根の設置」ですから、工期がその分短くて済みます。さらに家屋と一体化しているので外観がとても美しいというメリットがありますね。

画像はシャープ製の「ソーラールーフ」という製品ですが、ご覧のとおり凸凹がなく屋根全面をソーラーパネルに出来るので、美しくかつ効率的な設置が可能となっています。

ただしデメリットがないわけではありません。構造上から放熱性に劣るので、高温によって発電効率が落ちる可能性があります。それに前述のとおり、コストが高めにつくことと部品の交換が簡単には行なえないことなどが挙げられます。

既存の屋根に設置する方法


ソーラーパネルを既存の屋根に設置
既存の屋根に太陽電池モジュールをあと乗せするタイプを
「屋根置き型」と呼び、現在は最も一般的なタイプです。

今後、既存住宅への太陽光発電が普及し終われば、将来的には「屋根建材型」が主流になるのでしょうね。

「屋根置き型」には、勾配のある屋根向けの「勾配屋根型」と、ビルのような平坦な屋上に設置する「陸屋根用」の二種類あります。

「陸屋根用」のモジュールは、そのまま置くと真上を向いてしまうため、どうしても傾斜を付けなければ効率よく太陽光を受けることができません。そのために傾斜架台を据え、モジュールはそれに設置することになります。

「屋根置き型」の良いところは、「屋根一体型」とは違い、太陽電池モジュールの性能しか要求されませんので
コスト的には有利になります。それに、構造上から屋根とモジュールの間にスキマが生じますので放熱性に優れています。

太陽電池は温度が高くなると発電効率が落ちるという特徴があるので、効率面ではやはり「屋根置き型」に軍配が上がりますね。ですから、既存の屋根に設置するなら迷わず「屋根置き型」がオススメです。